「カレンダー、かけ替えておくね」
「灯油、入れておいてくれるかな」
暮れのとある日に、家族で交わされる何気ない会話。
そんな会話を交わした日の夜に、帰らぬ人となるなんて。

親しい方が暮れに亡くなりました。
朝に家族と冒頭のような会話をして、夕方に体調が急激に悪化し、救急搬送されたものの亡くなったそうです。

昨日まで、今朝まで、いつも通りだったのに、
今はもう言葉を交わすことができない。どんな気持ちだっただろうか。

亡くなった方の家族から電話をいただき、
亡くなった時の様子や諸々の手続きの状況、お弔いの段取りなどを聞きました。
突然のことに動転して信じられないでいるため、戸惑われている様子が伝わってきました。

亡くなりそうな時の治療方法、決断の決め手、
亡くなった後の事務的な手続き、
お弔いの方法 など、
ご本人の意思(遺志)を生かしたいと家族や親しい人は思っています。

もし生きているときに、
「亡くなりそうな時は、自分はこうしたい、こうしてほしい」
という思いや考えを伝えられていたら、
家族や親しい人間はそれをもとに、しゃべることができない当人に代わって表明できることでしょう。

日頃の会話の中で、何気ない会話のように、
こんな時はこうしてほしいな
という思いや希望を、さりげなくでも伝えられたらいいですね。

亡くなってからも、家族や親しい人の人生は続いていきます。その時に
「あの時、あの人に〇〇してあげたら違っていたかもしれない・・・。」
何度も頭をよぎるとも聞きます。
大事な人にそんな思いをさせないように、自分の思いを伝えていきたいものです。