H29年度の地域医療を支えるまちづくり事業報告書(表紙)

今年2月いっぱいで長年務めてきたNPO法人まちづくり学校の代表理事を退任しました。

このNPOは新潟県内でまちづくりを推進してきた有志が集まって2001年に設立された組織です。事務局は新潟市西区青山にあり、メンバーは県内外あちこちに点在しています(会員数は約150名)。

まちづくり学校の理念は、「個性あるまちと人が輝く社会をつくる」であり、そのために、「自ら行動する人を育て、共に学び合う関係を築く」「現場に寄り添い、足りない仕組みを提供する」という2つの項目を柱と位置づけて活動を展開させています。

そんな中、2017年(平成29年)に新潟県村上地域振興局健康福祉部(村上保健所)からお声がけいただき、地域戦略事業に位置づけられた「地域医療を支えるまちづくり事業」のコーディネートを頼まれました。

我々はこれまでも様々なまちづくり事業に携わってきましたが、医療分野への関わりはこれが初めての経験でした(一時歯科医療には関わりを持ちましたが…)。

しかし最初に行った救急医療体制検討会の中で村上総合病院長の林先生による問題提起を伺い、どの分野も根っこの問題は同じであることを実感し、これならば取り組むことに何ら違和感はないと感じた次第です。

この根っこの問題というのは他ならぬ人口減少問題です。これが様々な分野に跨がって後継者不足などの歪みをもたらしており、これまでのような縦割り社会では到底解決できないものだと感じています。

ですから今後重要になるのは分野横断・分野連携です。

もっとストレートにいうならば、地域医療のこれからは医療関係者だけで拓くものではないということです。

これは農業振興にしても、文化継承にしても、環境対策にしても同様です。

ポイントは他分野の人やそこから生まれたアイディア等をいかに取り込めるかが重要になると考えています。

話は戻りますが、村上保健所が主催した「地域医療を支えるまちづくり事業」がスタートして早いものでもう6年が経ちました。その大きな成果の一つとして、むらかみ地域医療サポートセンターはぐが誕生し、今に至っています。

当面の課題はたくさんありますが、まずは自立することではないかと考えています。

自立するということは、人の助けを借りない組織にするという意味ではありません。むしろ対等な形で異業種・他分野の方々と連携できるかどうか、そこが自立するためのポイントなのだと思っています。

大滝 聡
・むらかみ地域医療サポートセンターはぐ 理事
・NPO法人まちづくり学校 用務員
・NPO法人都岐沙羅パートナーズセンター 副理事長 
・有限会社オム・クリエイション代表取締役