「燃える」下渡山
 10数年前までは、大晦日、紅白歌合戦を見ながら年越し蕎麦を食べて、午前0時前に羽黒神社に二年参りに行く。我が家の毎年の恒例行事でした。羽黒神社の帰り、向かいの山がボーと赤く見える。よく見ると下渡山が燃えている!火事?でも消防自動車のサイレンの音もしない??なんだか分からぬままに帰宅。あれは火事ではなかったらしい。
それが判明したのは、私が下渡山を燃やす側になってから。


 事の始まりは、職場の渡辺さんから、下渡山で年末に発炎筒を焚くんだけど一緒に行かない?と誘われ、わけもわからず二つ返事でOKした。それがまさか10数年も続く年末年始下渡山登山になろうとは。
 大晦日当日、紅白歌合戦の途中で防寒着をいっぱい着込んで身支度!夜中の10時に田村酒店の悦郎さんの迎えの車で下渡山の登山口へ。背中のリュックに入るだけの発炎筒を担いで下渡山登山スタート。雨でも吹雪でも。積雪の多い年は長靴も埋まる事も。吹雪の時は2倍位の時間がかかる時もある。


 どんな天気でも今年は中止します!なんて事は一度もない。そして山頂に到着すると担ぎあげた400本以上もある発炎筒のキャップ取り。眼下には1年で1番綺麗な村上の夜景が輝いている!?発炎筒は元旦0時から着火!遠くまで見えるように数本づつ、そしてなるべく長く燃やす! ところが発炎筒の煙はすごい。そして煙が風に煽られて舞う。なるべく風上に避難するが、すぐ風向きが変わってゲホゲホ!耐えられなくなると、うどん作りの手伝いに逃げる。鍋や薪、水は先陣隊が先に担ぎ上げている。山頂での年越し蕎麦ならぬ「年明けうどん」!これが絶品。冷えた身体の五臓六腑に染み渡る。これを食べるために登る??

村上の夜景・下渡山からの眺め


 下渡山登山は昭和42年の羽越水害後に始まったらしい。それから今に至るまで一度も中止した事がない。火事で通報された事も数多くあったらしい。うどんのツユを忘れての素うどんは不味くて食べられたもんじゃないとの大先輩の失敗談なども。
 ところが50年以上続いた下渡山登山がなんと今年は中止!クマ出没のため下渡山が入山禁止になったから…お願いクマさん!お願いだから冬眠して!!


 そんなわけで今年は自宅での年越し。10数年ぶりに普通の年越しが出来ることを喜ぶべきか、寒い下渡山で村上の夜景と発煙筒の煙の中で新しい年明けを祝えない事を悲しむべきか。嵐でもコロナでも、何があっても続いてきた登山が、熊のせいで中止になるとは!来年はクマ騒動がおさまって再開出来る事を願います。
年末年始下渡山登山の回想でした。


今年も残すところあと少し。今年もはぐ活動で感じた連帯感と充実感。先日の「歩こうむらかみ」プロジェクト(歩数競争オンラインイベント)の企業・団体対抗ランキングでも最終日まで1歩でも多く歩き、楽しみながら一石何鳥かを共有出来ました。
来年も皆さんと楽しく活動できる事を願っています!